【6月7日 Xinhua News】中国貴州省(Guizhou)遵義市(Zunyi)出身の楊柳(Yang Liu)さん(24)は、手に長いさおを持って川面に浮かべた長い竹の上に立つと、水の上を滑るように進んでいく。この軽妙な技は楊さんが幼い頃から祖母に習ってきた技芸で、「独竹漂」と呼ばれる。独竹漂は赤水河流域に位置する同省北部の民間技芸を発祥とし、独特の力強さに妖精のような幻想的な雰囲気を備えている。

「赤水独竹漂」は2009年、同省の第3次省級無形文化遺産リストに登録され、若者の楊さんは数少ない伝承者の一人となった。ダンスが好きな楊さんは、独竹漂とダンスを組み合わせた新たなスタイルの創造に挑戦した。昨年、動画投稿アプリの「抖音(ドウイン、Duoyin)」や「快手(クアイショウ、Kuaishou)」、SNS型電子商取引(EC)アプリの「小紅書(RED)」などに動画を投稿すると大きな反響を呼んだ。

大勢のフォロワーが楊さんに、漢服などの伝統衣装を着て古典舞踊「長袖飛揚」のパフォーマンスをしてほしいと願った。そこで楊さんは期待に応えるように、独竹漂と伝統衣装、美しいダンスを見事に組み合わせて見せた。

楊さんは、リアルのパフォーマンスによる技の伝承だけでなく、ネット上での宣伝や普及活動にも長く取り組みたいとし、「独竹漂を海外に広め、世界中のより多くの人に中国文化を好きになってもらいたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News