【6月6日 Xinhua News】中国でここ数年、国産ブランドのランニングシューズを選ぶ人が増えている。最新技術を活用した性能の良さと中国的な要素を取り入れた「国潮」デザインが人気の秘密のようだ。

 中国のランナー向けアプリ「悦跑圏」と電子商取引(EC)大手アリババグループ(Alibaba Group)傘下の通販サイト「天猫(Tモール、Tmall)」のまとめによると、今年第1四半期(1~3月)の人気ランキングで、国産ブランドが海外ブランドを抑えて上位2位を占めた。

 天津市にある中国スポーツ用品大手、李寧(リーニン)の店舗では、壁一面に並んだ李寧ブランドのランニングシューズを試し履きする人の姿が多く見られた。5年前から勤務するという店員に話を聞くと、ここ数年は国産ブランドの人気が高まり、購買層の年齢も下がっているという。

 プロランナーにとっても国産ブランドは「勝負靴」になっており、2019年のベルリンマラソンに出場した中国の董建国(とう・けんこく)さんは、スポーツ用品大手の特歩国際(エクステップ・インターナショナル)が展開する「特歩」ブランドのシューズを履いて2時間8分28秒の好成績を収めた。昨年の広州マラソンと上海マラソンでも、上位に入った中国人選手の多くが国産ブランドを履いていた。

 数年前までは、速く走りたければ海外ブランドを選ぶというのが主流だった。国産ブランドが台頭した背景には、地道なデータ収集や走り心地の良さを追求した研究の成果がある。特歩国際は福建省アモイ市のオペレーションセンターで、赤外線高精細ハイスピードカメラや圧力センサーなどを使ってプロランナーの走りを分析。中国スポーツ用品大手、安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)は、全国各地から3万人分の足型を収集し、中国人の足型データベースを構築している。 

 中国的な要素を取り入れた「国潮」デザインも人気を後押ししているようだ。安踏体育用品は昨年、唐代の詩人、李白(り・はく)をオマージュした商品を発売。特歩国際も少林寺でファッションショーを開き、「禅武文化」を融合させたデザインの商品を発表して話題を呼んだ。(c)Xinhua News/AFPBB News