【6月4日 AFP】パキスタンのシンド(Sindh)州首相は3日、州職員が新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した場合、来月から給与の支払いを停止するよう命じた。

 大都市カラチ(Karachi)を擁するシンド州のムラド・シャー(Murad Ali Shah)首相は、インドで最初に確認されたデルタ株の感染者が同州で初確認されたことについて保健当局と会合。その後、給与支払いの停止措置を明らかにした。

 シャー氏はツイッター(Twitter)に、「ワクチン接種を受けていない州政府職員の給与支払いを7月から停止する」と投稿し、州の財務当局に命令を出したと付け加えた。

 パキスタンは新型コロナ流行の第3波に見舞われているが、数週間前に公共の場での集会を制限し、状況は落ち着いてきている。だが、シンド州では感染者数が過去最多となった。

 パキスタンのワクチン接種は当初、遅れていたが、ここ数週間は1日に20万人が接種を受けている。ワクチンは主に、中国製が使われている。

 だが、これまでに接種が完了したのは約220万人と、総人口2億2000万人のごく一部にしかすぎない。

 ワクチンの副反応に関する誤情報や陰謀論から、接種をためらう人も多い。また、接種の申し込みには携帯電話が必要となることが、貧しく、識字率も低い一部の市民にとって壁となっている。

 さらに接種会場の多くは主要都市にあり、地方に住む人々は会場に行くことさえ難しい。(c)AFP