【6月4日 AFP】ボクシング、元世界ウエルター級王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)氏は、米人気ユーチューバーのローガン・ポール(Logan Paul)と対戦する6日のリング復帰戦をめぐり周囲から冷笑を買っているが、それを気にするそぶりを全くみせていない。

 50勝0敗の通算戦績を残して競技生活から引退し、現在44歳となったメイウェザー氏は、米フロリダ州マイアミのハードロック・スタジアム(Hard Rock Stadium)で行われるエキシビションマッチで、これまでボクシングでは2試合しか戦ったことがない26歳のポールと拳を交えることになり、ボクシング界の大半から冷ややかな視線を浴びせられている。

 リングサイドには一人のジャッジも置かず、8ラウンドで行われる異例のこのファイトについて、プロモーターはペイ・パー・ビュー(PPV)の申し込みが200万件に上ると期待しており、そうなれば両選手に高額のファイトマネーが支払われることになる。

 ローガンの弟ジェイク(Jake Paul)は、4月に総合格闘技(MMA)のベン・アスクレン(Ben Askren)と対戦して130万件の申し込みを記録し、7500万ドル(約82億5000万円)を稼いだと報じられており、メイウェザー氏の魅力やソーシャルメディアにおける対戦相手の人気度を踏まえれば、その数字を上回るのはほぼ間違いない。

 2018年の大みそかに日本で行われたエキシビションマッチで1ラウンド勝利を収めて以来のリング復帰となるこの試合が、ボクシングの純粋主義者からの冷たい視線にさらされていることを認識しているメイウェザー氏は、現役時代のレガシーや競技を汚していると批判する声を一蹴。3日に行われたAFPの取材で「(PPVの)数字に関しては特に気にしていない」とし、「とにかくイベントを楽み、盛り上げるためにここにいる」と語った。

 さらには「誰もが自分自身の考え方を持つ権利がある。俺はフロイド・メイウェザーとして生きていて、やりたいことを選んでいる。俺が試合に出て楽しみ、5000万ドル(約55億円)、6000万ドル(約66億円)、7000万ドル(約77億円)、1億ドル(約110億円)を稼ぎたかったら、そうさせてくれ。誰にも迷惑はかけていないし、泥棒や人殺しをするわけじゃない。自分のやりたいことをやっているんだ」と語った。

「競技生活からは退いたが、エンターテインメントと金を稼ぐことからは身を引いていない」 (c)AFP/Steve Brenner