【6月4日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は3日、6月末までに世界に配布する8000万回分の新型コロナウイルスワクチンのうち、第1弾となる2500万回分の供給先を発表した。75%は貧困国などへのワクチンの公正な分配を目指す国際的枠組み「コバックス(COVAX)」を通じて提供する。

 ホワイトハウス(White House)は、コバックスを通じ提供するワクチンは中南米・カリブ海(Caribbean Sea)、南・東南アジア、アフリカの国々を優先し、新たな感染の拡大防止に役立てると説明。

 バイデン氏は声明で「私たちがワクチンを共有するのは、便宜を図ったり譲歩を引き出したりするためではない。命を救うためにこのワクチンを共有する。模範としての私たちの力と私たちの価値観をもって、世界をリードしパンデミック(世界的な大流行)に終止符を打つ」と述べた。

 バイデン政権の新型コロナウイルス対策調整官、ジェフ・ザイエンツ(Jeff Zients)氏は記者団に対し、「2500万回分の輸出に向けた手続きが進行中だ」と説明。うち約700万回分はインド、ネパール、バングラデシュ、アフガニスタン、ベトナムなどのアジア諸国に、約600万回分はブラジル、アルゼンチン、コロンビア、コスタリカ、ハイチなどの中南米・カリブ海諸国に割り当てる。

 アフリカ諸国には、アフリカ連合(AU)と協力して約500万回分を提供。残りの約600万回分は、感染者が急増している国や、危機に陥っている国、また隣国のカナダやメキシコのほか、韓国、ウクライナ、ガザ地区(Gaza Strip)、イラクなどの「パートナー」国・地域と直接共有する。(c)AFP