【6月3日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)男子シングルス3回戦で錦織圭(Kei Nishikori)と対戦するヘンリ・ラークソネン(Henri Laaksonen)は、同じスイスのロジャー・フェデラー(Roger Federer)の巨大な陰に隠れてきた遅咲きの29歳だ。

 ラークソネンは2日に行われた2回戦で、第11シードのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)を6-3、2-6、6-3、6-2で撃破。普通はフェデラーかスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)が見出しを飾るスイスのテニス界だが、少なくともこの日はその陰から踏み出し、ついに脚光を浴びた。

 今大会まで、今シーズンはツアー本戦での勝利もなかった。だが、ラークソネンは生まれ故郷フィンランドのクレーコートで育った選手で、それを考えればこの全仏で結果が出たこともうなずける。

 ラークソネンは試合後、雪の中クレーコートで練習を重ねた昔を振り返った。少年時代、フィンランドでクレーコートが使えるようになるのは3月や4月になってからだったというラークソネンは、「少し雪が降っているときもプレーした。クレーシーズン自体は毎年すごく長かったけれど」と話す。

 全仏オープンでは4度予選敗退を経験した後、2019年に初めて本戦入りを果たし、敗れはしたがノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)との2回戦まで進出した。

 今大会は昨年に続いて予選から勝ち上がり、1回戦ではヤニック・ハンフマン(Yannick Hanfmann、ドイツ)を倒した。3回戦まで勝ち残ったことで、すでに今大会での獲得賞金は昨年の全賞金を上回る13万6000ドル(約1500万円)に上った。

「去年は大会がなかったから大変で、収入がなかった。(今年は)幸い全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)でも本戦入りできて、それに少し助けられた」とラークソネン。今の目標は世界ランキングで上位100以内に復帰し、2017年8月に記録した自己最高の93位を更新することだという。(c)AFP