■生息範囲は半減

 それから12年、自分の農園に来たジャガーの多くにバラガンさんは名前を付けてきた。体の模様はそれぞれ違う。

「彼は54頭のジャガーを見分けられます」と語るサマンサ・リンコン(Samantha Rincon)氏は、ネコ科動物の国際保護団体「パンセラ(Panthera)」の研究者だ。

 同団体によると、コロンビアではバラガンさんのオーロラ農場に続き、現在約55か所の農場がジャガーとの共存を模索している。ジャガーの襲撃に備え、威勢のいい牛に群れを守らせる。あるいは森林伐採を止めたり、ジャガーの餌になるカピバラなどの狩猟をやめさせたりといった対策を考えている。

 オーロラ農場の周辺には、広大な水田やアブラヤシの農園が広がる。「ジャガーの生息地を奪い、餌を消し去ってしまえば、ジャガーは間違いなく家畜に向かいます」とリンコン氏はAFPに述べた。

 パンセラによると、コロンビアに残るジャガーは約1万5000頭。南北アメリカ全体では約17万頭だという。

 かつて米国南部からアルゼンチン北部まで広がっていたジャガーの生息範囲は現在半減した。いくつかの国ではすでに絶滅している。

 気候変動の影響もある。2016年、ジャガーの主要な餌であるカピバラが大規模な干ばつによって大量死した。

 バラガンさんは、もっと多くの農民にジャガーの保護に関わってほしいという。「農場でジャガーを見かけるたびに一種の恐怖は覚えます。でも経験から、ジャガーとの共存は可能です」 (c)AFP/Juan Sebastian SERRANO