【6月5日 Xinhua News】中国、オーストラリア、米国の研究者から成る研究チームがこのほど、中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市と雲南省(Yunnan)怒江リス族自治州でウーリームササビ属の新種2種を発見し、それぞれチベットウーリームササビ、雪山ウーリームササビと名付けた。研究成果は5月31日に英リンネ協会発行の動物学の国際学術誌「ズーロジカル・ジャーナル」に掲載された。

 論文の共同筆頭著者で中国科学院昆明動物研究所助理研究員の李権(Li Quan)氏によると、ウーリームササビ属はネズミ目リス科リス亜科モモンガ族に属し、体長1メートル以上、体重2・5キロになる。ヒマラヤ地域の滑空する哺乳類の中で最も体が大きく、最も標高の高い場所(4800メートル)に分布することで知られる。生息数はわずか千~3千匹とみられ、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種(EN)に指定されている。

 研究チームは、中国内外の自然史博物館が所蔵する標本24点を形態学や遺伝学の観点から詳細に比較し、ウーリームササビはヒマラヤ山脈全域と雲南省北西部の高山地帯に分布している可能性が高く、毛色や臼歯、遺伝的特徴から大きく異なる3種に分かれていることを確認した。今回の発見は、ヒマラヤと横断山脈一帯に極めて豊富な生物資源が存在することを改めて示した。(c)Xinhua News/AFPBB News