【6月3日 AFP】(写真追加)ベラルーシの反政権活動家が1日、裁判初日に自身の首を刺し、病院へ搬送された。人権団体が明らかにした。

 搬送されたのはステパン・ラティポフ(Stepan Latypov)氏(41)。同氏の裁判を監視する人権団体「ビアスナ人権センター(Viasna Human Rights Centre)」は、勾留中にかけられた圧力が原因で自殺を図ったとみられるとしている。

 昨年9月に拘束され、抗議活動への関与や警察への抵抗などの複数の罪に問われているラティポフ氏は、1日に首都ミンスクの裁判所に出廷した。

 ビアスナによると、法廷に姿を現したラティポフ氏はあざだらけで、自身の父親が尋問された後に長椅子の上に立ち、ペンのようなもので首を刺した。意識不明の状態で法廷から運び出され、病院へ搬送されたという。

 ベラルーシ保健省は1日夜、ラティポフ氏は意識を取り戻し、命に別条はないと発表した。

 保健省はメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」の公式アカウントで、「必要な医療処置はすべて講じた」と述べ、ラティポフ氏の「容体は安定しており、死の危険はない」と明かした。

 ベラルーシでは昨年8月の大統領選でアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が6期目の当選を果たしたと主張し、これに抗議するデモが数か月間続いた。

 治安部隊の厳しい取り締まりにより、デモ参加者数千人が拘束、投獄され、反政権派の指導者らは亡命した。複数の死者も出ている。(c)AFP