【6月2日 AFP】世界保健機関(WHO)は1日、インドで最初に確認された新型コロナウイルス変異株「B.1.617」について、1亜系統だけを「懸念される変異株(VOC)」として残し、他の2亜系統を格下げしたと発表した。

 WHOは先月、インドの爆発的な流行の一因とされている「B.1.617」系統全体をVOCに分類していた。しかし1日、VOCに相当するのは3亜系統のうち「B.1.617.2」だけとすると発表。疫学週報を更新し、「現在、B.1.617.2については、より大きな公衆衛生上のリスクとの関連が明らかになった一方、他の亜系統は感染率が低いことが確認されている」と述べた。

 WHOは「著しく高まっている感染・伝播(でんぱ)性と、この変異株が関与するアウトブレイク(集団発生)を報告する国の増加を引き続き注視していく」とし、「この変異株の影響に関するさらなる研究は、WHOの優先事項だ」と述べた。

 WHOは5月31日、新型ウイルス変異株の名称について、最初に確認された国名ではなく、ギリシャ文字のアルファベットを使うと発表した。

 これを受け、インドで最初に確認された変異株の三つの亜系統のうち、今回VOCのままとされた「B.1.617.2」が「デルタ株」、その次に警戒される「注目すべき変異株(VOI)」相当とされた「B.1.617.1」が「カッパ株」と呼ばれることになった。

「B.1.617.3」については現在まで報告例が比較的少なく、VOI相当ともされていないため、ギリシャ文字は割り当てられていない。

 ベトナムの保健当局が5月29日に発表した新たなハイブリッド変異株は、デルタ株の変異型とみられている。

 WHOの新型コロナウイルス担当技術責任者であるマリア・バンケルコフ(Maria Van Kerkhove)氏は「B.1.617.2、つまりデルタ株は感染力が強く、人から人へ感染が広まりやすいことが分かっている」と述べた。(c)AFP