【6月4日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で父親が死んだ3日後、6歳の双子の姉妹は、母親の傍らで寝ているところを発見された。その母もすでに息絶えていた。

 インドを襲うコロナ感染の新たな波の中で、片方または両方の親を失った子どもはかなりの数に上る。同国にはもともと数百万人の孤児がいたが、身寄りのない未成年者がさらに急増する見通しだ。

 双子の姉妹、トリプティちゃんとパリちゃんは現在、中部の都市ボパール(Bhopal)に住む母親の叔父、ラメッシュ・シン(Ramesh Singh)さんの自宅で保護されている。身元を秘匿するため3人の名は仮名だ。

「あの子たちには繰り返し、両親はじきに帰ってくると言っています」とシンさん。「今は、本当のことを伝えられません。まだ幼すぎます」

 やはりコロナに感染していた母親は夫の死後、憔悴(しょうすい)してまともな食事を取らなかったために、回復が困難になったという。

 親戚らはこの母娘が住む家を何度もノックしたが返事がないため、窓から姉妹に水をかけて起こし、ドアを開けさせた。到着した医者が、母親の死亡を確認した。

 インドで1日数千人の命を奪っているコロナ感染症によって、多くの子どもが保護者を失っている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)インド事務所のヤスミン・ハック(Yasmin Haque)代表は「子どもたちは感情面で悲惨な状況にあるだけではなく、放置や虐待、搾取の高いリスクにさらされています」と語る。