【6月1日 AFP】コンゴ民主共和国とルワンダにまたがるキブ湖(Lake Kivu)をめぐり、コンゴでの大規模火山噴火によって有毒ガスが発生する「湖水爆発」が懸念されていたが、ルワンダの環境当局は5月31日、「差し迫った危険性」はないとの見解を示した。

 コンゴ東部ゴマ(Goma)のニーラゴンゴ(Nyiragongo)火山は5月22日に噴火。溶岩流が発生し、30人以上が死亡、多数が家を失った。

 現在、再噴火の恐れがある上、キブ湖で「湖水爆発」が発生するとの懸念から、約40万人が避難している。

 アフリカ大湖沼(African Great Lakes)の一つであるキブ湖の深層には、大量のメタンや二酸化炭素が溶け込んでいる。キブ湖はカメルーンのニオス湖(Lake Nyos)とマヌーン湖(Lake Monoun)と並び、窒息死を引き起こすガス噴出の可能性がある湖とされている。

 ルワンダ環境管理庁(REMA)は、観測チームが「キブ湖でガス噴出が起きるという差し迫った危険はないと結論付けた」と発表した。

 周辺地域では何度も余震が観測され、湖に続く断層が活性化しているものの、溶岩流は危険な水域には向かっていないという。

 湖水爆発の現象は、カメルーン西部マヌーン湖で1984年8月、37人が原因不明で死亡したことから知られるようになった。

 この事故では、湖の深層水に溶け込んだ二酸化炭素が噴出し、水面に発生した目に見えないガスの雲が風で運ばれ、民家や屋外にいた住民を窒息死させたことが分かった。

 2年後にも湖周辺で1700人以上の住民が死亡、牛数千頭も死んだ。これにより、地震や火山活動が引き金となり、湖水爆発が起こるとの見解が強まった。 (c)AFP