【6月1日 People’s Daily】河が活性化するには、何より水が重要である。中国北京市朝陽区(Chaoyang)の亮馬河は、目を背けたくなるような悪臭漂う河から、澄んだ水が流れる美しい風景へと、新たな装いを見せている。

「ここに流れている水は、主に付近の水再生処理プラントから補われたもので、汚水を処理してきれいな水に変えています。両岸の緑化とかんがいも再生水が使われており、年に約38万立方メートルの新しい水を節約できます」と、北京市水節約事務室の趙潭(Zhao Tan)主任は語る。

 近年、中国は節水を水関連事業の優先事項に位置付けており、水資源の供給と水質環境の整備、水理の安全保障を相互に関連付け、都市の水システムを構築している。

 中国住宅都市農村建設省が発表したデータによれば、2012年から2020年までの間、中国の都市における節水量は累計453億立方メートルに達した。中国の都市部で消費される水の総量は全国で使われる水の10%前後を占め、60%の人口と70%以上のGDPを支えている。再生水を都市部の「第2の水源」として推進されており、2020年には中国都市部の再生水利用料が146億立方メートルに達した。2012年の4倍に増加し、都市部で供給される水の総量のうち23.3%を占めるようになった。

 住宅都市農村建設省都市建設課の関係者によれば、近年各地で老朽化した上水道の改造が加速しており、水道管網の運用水準が上がり、全国の都市で上水道網の漏えい破損率が安定的に下がっている。湖北省(Hubei)宣昌市(Yichang)のあるコンクリート関連企業は、工場敷地内に巨大な沈殿貯水池を造ったという。「集まってきた雨水と地面を流れてきた水は、沈殿を経て循環利用できるきれいな水になります。パイプを通ってコンクリート攪拌(かくはん)設備に送られた水を生産に使っています」と、同社の責任者は言う。この企業では使用する水の80%を循環水でまかない、年間約40万元(約690万円)あまりのコストを節約している。

 また、水を通す舗装材が従来型の舗装材に取って代わりつつあり、植物を植えた側溝や、排水の役割を果たせる路面より低いグリーンベルトなど、路面の水はけと緑化を両立する「スポンジのような」新技術が登場している。近年、この「スポンジのような都市」建設の理念が徐々に都市計画管理の各段階と融合してきており、都市における雨水利用・貯水量調整・水の吸収能力が向上し、循環型の用水システムの形成が進んでいる。2020年末には、「スポンジのような都市」理念にのっとったプロジェクトが4万件あまり行われた。雨水を資源として保持し総合的に利用する能力が上がり、雨水の利用は年間3億5000万トンに達した。

 中国はまた、積極的に節水型都市の構築を展開しており、節水の理念や方法を啓蒙(けいもう)し、エコな発展スタイルとライフスタイルを形成している。目下、全国130の都市が節水に励んでおり、これらの都市で使われる水の総量は全国における水使用量の58.5%を占める。(c)People’s Daily/AFPBB News