【6月2日 AFP】週4日勤務制への移行により、英国の温室効果ガスの年間排出量を4年間で4分の3に削減可能とする推進団体の報告書が5月27日、発表された。

 英国の週4日勤務制の推進団体「4DayWeek」は報告書の中で、給料の減少なしでの週5日から週4日への移行により「英国の炭素排出量を2025年までに年間で1億2700万トン(21.3%)削減できると考えられる」との主張を展開している。

 報告書によると、これはスイスの年間総排出量を上回る量に相当するという。

 提言は、外出制限(ロックダウン)で、より多くの人が自宅から仕事をするようになった結果、柔軟な働き方や仕事と生活のバランスへの関心が高まる中で出された。企業の中には週4日制を試験的に導入したところもある。

 国際環境NGOグリーンピース(Greenpeace)英国支部は「これは皆が支持できることだと思われる」とツイートし、緑の党のキャロリン・ルーカス(Caroline Lucas)議員も「今まさにぴったりの提案だ」とツイートしている。

 報告書は、週の労働日数削減でオフィス機器の使用時間と自動車通勤が減り、省エネになると主張。また労働時間の短縮は、ファストフード消費減による健康的なライフスタイルと医療の必要性の低減をもたらし、エネルギーを大量に消費する機器の使用縮小にもつながるとしている。

 報告書はさらに、心の健康にもプラスに作用すると考えられるとした。「週1日を仕事以外の活動に充てることで、精神的な余裕も生まれやすくなる」 (c)AFP