タルサ黒人虐殺から100年、いまだ残る人種間の分断
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■「私たちは土地を所有していない」
虐殺から100年たった今も、人種間の緊張は高いままだ。
同地区でカフェを経営する黒人のコーディ・ランサム(Kode Ransom)さん(32)は「人々は『黒人のウォール街』と聞くと、黒人が完全に支配している場所だと思う。でも実際には違う」と話す。グリーンウッドには黒人経営店が20軒ほどあるが、その店舗はいずれも賃貸だという。「私たちは土地を所有していない」とランサムさんは語った。
タルサ市議会は1960年代以降、都市再生と称した都市計画を実行。老朽化しているとみなされた住宅や店舗は新しい建物のために解体され、所有者の黒人たちは追い出された。
クイーン・アレキサンダー(Queen Alexander)さん(31)は、ランサムさんのカフェの近くで、アフリカ系米国人文化をたたえる絵画を展示するアートギャラリーを経営している。
このギャラリーも賃貸で、賃料は間もなく3割上がる見通しだ。今月2日に予定されている大型歴史博物館「グリーンウッド・ライジング・ヒストリー・センター(Greenwood Rising History Center)」の開館により、周辺の事業者の賃料は上昇。アレキサンダーさんの知人で、グリーンウッドで40年以上にわたり美容院を経営していた女性は、賃料を払えなかったため立ち退きを強いられた。
アレキサンダーさんはギャラリーの窓から、ジェントリフィケーション(地域の高級化)が進む様子を目の当たりにしてきた。「今では白人が犬を散歩させたり、自転車に乗ったりしている姿を見かけるようになった。今まではなかったことだ」。近くには野球場やスターバックス(Starbucks)、そして、「自分だったらおそらく学費を払えなかっただろう大学」もできたという。
「私たちがあす、そろって立ち退きとなったら、ここは白人のウォール街だ」とアレキサンダーさんは語った。(c)AFP/Lea DAUPLE