【6月1日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)シーサンパンナ(Xishuangbanna)に生息していた野生のアジアゾウの群れがこのほど北へ移動し、29日夜に同省玉渓市(Yuxi)紅塔区に入った。「故郷」を離れ、省都の昆明市(Kuming)に接近しつつある。

 モニタリングによると、ゾウの群れは大人の雌6頭と雄3頭、若いゾウ3頭、子ゾウ3頭から成り、シーサンパンナから北へ約500キロ、省のほぼ中心部まで移動してきた。雲南大学(Yunnan University)生態・環境学院の陳明勇(Chen Mingyong)教授は、野生のゾウは習慣的に移動をする動物だが、今回のように北上を続けることは珍しいと指摘。

 北上を続ける理由については、群れがシーサンパンナへ帰る途中、道路の状態など何らかの原因で方向を見失ったものの、群れ自身は目的地へ向かっていると思い込んで移動している可能性があると推測した。

 中国の国家1級重点保護野生動物のアジアゾウは、アジア大陸に現存する最大の陸上野生動物で、国内では主に雲南省の普洱市(Puer)、シーサンパンナ・ダイ族自治州、臨滄市(Licang)の3州・市に分布している。30年余りの救助・保護活動により、省内の個体数は1980年代初めの193頭から現在は約300頭にまで増加した。(c)Xinhua News/AFPBB News