【5月31日 AFP】フランスの捜査当局は31日、日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告(67)の事情聴取を、逃亡先のレバノンで開始した。司法筋が明らかにした。

 別の司法関係者によると、ゴーン被告の事情聴取は5日間、午前10時から午後6時まで昼休憩を挟んで行われる予定。

 仏当局による捜査は、オマーンにあるルノー(Renault)と日産の販売代理店での不適切な資金取引や、オランダにある子会社からコンサルタントへの支払い、ベルサイユ宮殿(Palace of Versailles)でのパーティーの開催などが焦点になる。

 仏とレバノン、ブラジルのパスポートを所有するゴーン被告は、2018年に会社法違反などの容疑で日本で逮捕され、保釈中の19年末にレバノンへ逃亡した。

 フランスで訴追される可能性があるゴーン被告は、フランスが自国民を外国に引き渡すことはないにもかかわらず、レバノンを出国すれば日本に送還されるのではないかと危惧している。

 被告は以前から、日本では公平な裁判を受けることができないと主張しているため、今回フランスの裁判官と捜査員がレバノンへ赴いた。

 ゴーン被告は現在、証人として事情聴取を受けている。仏当局が正式に訴追した場合、被告が罪状の詳細を知るにはフランスに渡る必要がある。(c)AFP