【5月31日 CGTN Japanese】中国で7番目に大きい砂漠であるクブチ砂漠では、30年にわたって行われてきた生態修復や植林活動の成果が実り、緑の面積が広がりつつあります。

 クブチ砂漠の中腹部にある内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)オルドス市の杭錦旗では1997年に、初の砂漠横断道路の整備が始まりました。地元政府と企業、そして現地に暮らす人々が総出で参加したこの道路整備により、暮らしの改善と産業発展の第一歩が踏み出されました。

 現在では、杭錦旗内の砂漠横断道路の総延長は932キロメートルに達し、交通が便利になったことで砂漠の奥地での植樹活動が可能になりました。

 これと同時に、緑化技術の改良、羊やヤギの放牧を禁じる政策や、増水期の黄河の水を砂漠に引き入れて生態系の回復を目指すプロジェクトなど、多様な取り組みが行われた結果、クブチ砂漠の植生被覆率は1980年代の3%から現在では53%に、動植物の種類は約100種から現在では約500種にまで増えています。 

 さらに近年では、生態修復後の砂漠における太陽光発電産業や、発電所の敷地内を活用した作物栽培や畜産といった新型農業、砂漠を利用した観光産業なども展開されるようになりました。

 砂漠と共に地域経済も潤い、農民の年平均所得はこの20年で約9倍になったということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News