【5月31日 Xinhua News】中国安徽省(Anhui)馬鞍山市(Maanshan)の鉄道物資循環利用生産基地が26日、本格的に稼働した。廃棄される鉄道車両などをリサイクルし、新たな製品としてよみがえらせる。

 鉄道資材循環利用のハイエンドスマート製造プロジェクトとして建設された同基地は、年間で機関車・客車・貨車4千台、廃レール12万5千トン、廃金属5万8千トンを処理し、年間生産規模は21万トンに達する。貨車解体ラインやレール処理ライン、客車内装ラインなど、独自に開発した自動化作業ラインを備えている。

 鉄道設備技術の進歩やインフラの高度化に伴い、廃棄物の量は増加傾向にある。中国鉄路物資集団のおおまかな統計によると、全国を走る鉄道や市内の路面電車、地方鉄道などから毎年、機関車・貨車・客車1万台以上、レールや金属100万トン以上が廃棄処分となっている。

 鉄道関連廃棄物の処分の現状を踏まえ、中国鉄路物資集団と国有鉄鋼大手の宝武鋼鉄集団は合弁会社の資源科技を設立。関連企業や科学研究チームと連携し、廃棄物のリサイクルと関連する技術、製品、設備の研究開発に乗り出した。

 処理される車両やレールは農機や建機の部品、金物など市場に必要な製品に生まれ変わる。廃棄物を資源化し、価値ある製品に作り変え、環境への負荷を抑えた「閉ループ」産業チェーンが構築されつつある。

 インテリジェントロボットや産業のインターネット、ビッグデータによる情報管理技術などを駆使して独自開発した貨車自動解体ラインの処理能力は4倍以上に高まり、廃レールの処理スピードは6倍以上にアップした。取得した20件余りの特許技術は多くが国内の空白を埋める技術となった。すべての廃棄物がトレーサビリティーの適用、生産プロセスの可視化、ライフサイクル管理を実現している。

 中国鉄路物資集団は今後さらに、全国鉄道廃棄物データベースを同基地に構築し、第14次5カ年規画(2021~25年)の期間中、馬鞍山を出発点に全国を網羅する鉄道物資再生利用産業基地または工業団地(パーク)を立ち上げ、中国の「グリーン鉄道」の代表事業として発展を図る。(c)Xinhua News/AFPBB News