【5月31日 AFP】新型コロナウイルス流行により苦境にあるバングラデシュの人気観光地コックスバザール(Cox's Bazar)で、観光乗馬用の馬20頭以上が直近1か月間に餓死した。馬主らが30日、明らかにした。

 コックスバザールビーチは世界でも最も長い砂浜の一つとして知られ、観光客向けの乗馬が人気だった。だが、馬主らは、餌の用意に苦心していると語る。

 コックスバザール馬主協会(Cox's Bazar Horse Owners Association)の広報担当者ファリダ・ベーガム(Farida Begum)氏はAFPに対し、浜辺では最大90頭が観光用に飼育されていたが、うち少なくとも21頭がここ1か月間で死に、残った馬も痩せ細っていると話した。

 また、昨年のロックダウン(都市封鎖)中には、ベーガム氏が所有する8頭を含む41頭が死んだという。

 馬主の中には、草を食べたり自力で餌を探したりして生き延びることを願って、馬を野に放った人もいる。

 馬主らは自分の家族を養うことも難しく、家計をやりくりするためにマイクロファイナンス機関から借金をしている人も多いと語る。ベーガム氏も「金融業者が毎週うちに来て、分割返済するようしつこく言ってくる」と話した。

 バングラデシュの累計感染者は80万人近くに上り、死者は1万2300人を超えているが、専門家らは実際の数ははるかに多い可能性があるとみている。ワクチンを1回接種した人の割合は人口の約6%にとどまっている。(c)AFP