【5月31日 AFP】新型コロナウイルス流行の第2波に見舞われているインドで、数百万世帯が貧困に陥っている。専門家は、すでに昨年の最初のロックダウン(都市封鎖)で大打撃を被った貧困層に飢餓が広がっているとして、社会に迫る新たな危機に警鐘を鳴らしている。

 インドではこの8週間で16万人が死亡し、医療はひっ迫。多くの事業者が倒産した。インド経済モニタリングセンター(CMIE)は、今年4月だけで730万人以上が失業したとしている。

 南部ベンガルール(旧バンガロール、Bangalore)のアジム・プレムジ大学(Azim Premji University)の調査によると、流行が始まった昨年1年間で、約2億3000万人の国民が1日の生活費375ルピー(約570円)以下の貧困層に転落した。

 労働人口の90%以上が社会保障などセーフティーネットの対象から外れたインフォーマルセクターに属していることが、事態をさらに深刻にしている。政府の緊急食料支援を受けるために必要な配給カードを持っていない人は、推計1億人に上るとされる。(c)AFP