【5月31日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)は30日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第4シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が6-4、7-5、3-6、4-6、4-6の逆転でパブロ・アンドゥハル(Pablo Andujar、スペイン)に敗れ、初戦で姿を消す波乱があった。

 センターコートでの一戦で、全仏準優勝2回のティエムは2セットをリードしたところから35歳のアンドゥハルにまさかの巻き返しを許し、約4時間半の戦いに敗れた。ティエムが全仏で1回戦敗退に終わるのはこれが初めてで、ベスト8以上を逃すのも2015年以来となる。

 27歳のティエムは「とてもつらい。2016年以降はこの大会で勝ち進むのに慣れていた」と嘆く一方で「しかし同時に、前回四大大会(グランドスラム)の1回戦で負けたのは2019年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)で、そんなに昔の話じゃない」と話した。

「だから自分は、準々決勝より前では絶対に負けないビッグ3のような存在じゃない。早期敗退は経験済みだ。だけどここでは特に、2015年の後はそういうことがなかったから奇妙な感じだし、違和感がある」

 2018年と2019年の全仏で決勝に進出し、昨年の全米でグランドスラム初優勝を飾ったティエムだが、今季は調子が一定せず、ここ2週間もイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2021)では3回戦、リヨン・オープン(Open Parc Auvergne-Rhone-Alpes Lyon 2021)では自身初戦となる2回戦で敗退した。

 ティエムは「リヨンとここでは、ショットや動きの全てで本来の自分を全く出せなかった。ビッグタイトルを争えるバージョンの自分だ」と認め、「単純に現時点の力が足りなかった」と話した。

 一方のアンドゥハルは、前々週のジュネーブ・オープン(Gonet Geneva Open 2021)でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に勝利し、2015年を最後になかったトップ10選手からの金星を挙げていた。

 アンドゥハルは「多分きょうは、(フェデラー戦の)あの勝利が助けになった」と話し、「絶好調ではなかったと思うが、自信が勝利のカギになった」と続けた。

 第5シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は7-6(8-6)、6-3、6-1でジェレミー・シャーディ(Jeremy Chardy、フランス)に快勝。第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は2セットダウンから同胞オスカー・オッテ(Oscar Otte)を3-6、3-6、6-2、6-2、6-0の逆転で退けた。(c)AFP/Jed Court