【5月31日 Xinhua News】中国でソーシャルネットワークを通じた、バーチャルな恋人とのコミュニケーションに人気が集まっている。「架空の恋人」はソーシャルネットワークに基づく有料サービス。消費者がニーズに応じて一定時間の付き添いサービスを注文すると、売り手は各種のソーシャルプラットフォームを通じ文字や声などの形で一時的な恋愛関係を演出する。おしゃべりやゲームのほか、寝かしつけたり起こしたりしてくれるサービスもある。

 感情的な満足を得、プレッシャーを和らげるより手軽な手段として、類似のサービスを利用する若者は少なくなく、多様な「付き添い経済」が生まれている。

 オンライン配車サービスの運転手を務める31歳の王明(Wang Ming)さん(仮名、男性)は「昼間は仕事で走り回り、夜は孤独に襲われる」日々だという。配車リクエストに応じて客を乗せ、暇な時間はモバイルゲームで退屈をしのぐ。変化がない毎日の繰り返しで孤独感は一層募る。寂しさをまぎらわすため、ゲームの相手をしてくれるサービスを注文するようになった。

 「いつでも誰かがゲームとおしゃべりの相手になってくれる。生活の悩みも聞いてもらう」と王さん。知り合いに話すより、話し上手でおもしろい他人を探して聞いてもらう方が気楽で負担にならないという。

 蘭州大学経済学院の楊粛昌(Yang Suchang)教授は、現代の若者はしばしば逃げ場のない孤独感や焦燥感に襲われているとし、「新しい経済形態として生まれた付き添い経済は、若者がプレッシャーや不安を和らげるのにある程度役立っている」との見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News