【5月30日 Xinhua News】一部の大口商品(コモディティー)は今年以降、価格急騰が続いており、幾つかの品目では、連続で過去最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)の銅価格は今月7日、2011年につけた1トン当たり1万184ドル(1ドル=約109円)の最高値を更新。10日には一時、1万747・5ドルの史上最高値をつけた。上げ幅は昨年の最安値の2・5倍、年初からは最大で37・5%となった。24日は9983ドルで取引を終えたものの、依然として歴史的高水準で推移している。

 銅は重要な基礎的原材料であり、中国は世界最大の銅消費市場だが、国内資源は十分でなく、毎年大量の銅鉱・銅を輸入する必要がある。銅価格の高騰は、川下の銅消費企業の急激なコスト上昇を招き、正常な生産・経営活動に悪影響を与える。

 業界関係者は今回の銅価格の激しい上昇について①ポストコロナ時代の世界経済の回復加速②新エネルギー分野での銅消費の増加③低在庫を背景とする供給不足と旺盛な需要による価格の押し上げ④銅鉱生産量の回復の遅さ-が銅価格のファンダメンタルズ(基本的条件)を支えていると分析する。

 鉱山企業は現在、大きな利益を上げている。銅価格の大幅な上昇に伴い、銅鉱山の利益が急増したからだ。ただ、中国の銅鉱石の自給率は約20%に過ぎず、自給率国内最高を誇る江銅集団でも、原材料の輸入依存度は依然6割を超える。

 一方で、銅の最終製品メーカーは、受注が高価格により抑制され、販売価格の値上げ幅も銅の高騰ぶりに追いつかないことから利益が削られている。

 市場では現在、銅価格の今後の動向についてさまざまな見方がある。世界各国が緩和的な金融政策を維持していることに加え、市場に境外(外国と中国の香港・マカオ・台湾)での消費回復に対する期待感があることから、銅価格は高水準を維持するとの短期的観測がある一方、銅価格は既に高値圏を脱し、今年下半期(7~12月)には相場の転換点を前倒しで迎える可能性があるとの見方もある。

 市場関係者は、今年下半期に幾つかの鉱山が操業を開始すれば、需給逼迫(ひっぱく)が緩和され、産業チェーンの川上・川下業界に新たな均衡がもたらされると予想している。(c)Xinhua News/AFPBB News