【5月31日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)の三星堆(Sanxingdui)博物館で28日、「三星堆から中華文明を読み解く」をテーマにしたイベントが開かれ、三星堆遺跡で新たに見つかった祭祀(さいし)坑6基からこれまでに千点以上の重要な文化財が出土したことが明らかになった。

 昨年後半から始まった3~8号坑の発掘作業は順調に進んでおり、進展状況が次のように説明された。

 3号坑から見つかったのは、主に青銅器や象牙100点余りずつで、さらに玉石器や金器、貝殻なども見つかった。青銅器の中には、四角い台状の銅器を頭に載せて両手で支えている「青銅製頂壇人像」や、高さ115センチの「青銅製頂尊人像」があった。「青銅製頂尊人像」はひざまずいている姿で、両手を体の前で合わせて、頭に四角い板を載せており、板が大口の尊(そん、容器)につながり、尊の肩部には竜をかたどった精巧な装飾が施されている。

 4号坑の灰燼(かいじん)堆積層からは、絹タンパク質が三星堆遺跡で初めて見つかったほか、竹やヨモギ、楠木(タブノキ)などの植物の灰燼堆積層が見つかった。4号坑からは多くの文化財が出土し、これまでに象牙や金器、玉器、石器、銅器、陶器、骨器、織物、漆器など534点が見つかった。

 5号坑の文化財はさまざまな破片や玉飾りなど小さな物が中心で、坑内には丸い穴の開いた金の薄片が大量に埋まっていたが、衣服に付けた装飾品と考えられている。これまでに象牙や象牙器、金器、玉器、石器、銅器など文化財146点が出土したが、中でも黄金の仮面や鳥の形をした金の装飾品が最も重要と考えられている。

 6号坑からは保存状態の良い「木箱」が見つかった。木箱は長さ1・7メートル、幅0・57メートル、高さ0・4メートルで、内側には、辰砂(しんしゃ)という赤い鉱物で朱塗りが施されており、三星堆で初めての発見となった。

 7号坑の発掘は文化財が含まれる層に届いたばかりで、長さ1メートル、幅0・6メートル、深さ0・1メートルの長方形をした解剖坑内には、判別可能な象牙が10個露出していた。

 8号坑からは青銅器や玉器、金箔(きんぱく)、石器などが出土した。やや大きめの青銅器は、その多くが意図的に打ち砕かれており、青銅製の神樹の破片とみられる中小の青銅器は主に、銅鈴や銅貝(どうばい、貨幣)、銅戈(どうか)、小さな跪座銅人像などで、玉器は主に、璋(しょう)、斧、鑿(のみ)、管および大量の玉珠などだった。灰燼堆積層には大量の金箔が散らばっており、中には黄金の葉と判別できるものもあった。このほか、銅器のかけらの表面に、焼け残った織物の断片が付いているものもあった。これまでの発掘で、灰燼堆積層の下には黄色の砂土が見えるようになり、大きな象牙もいくつか露出し始めている。

 三星堆遺跡(4800~2600年前)は、四川省徳陽市広漢市にある面積12平方キロメートルの遺跡で、1927年に発見された。

 同遺跡のこれまでの考古学的発見では、祭祀坑の発見が最も重要とされている。特に、1986年に見つかった1号坑と2号坑からは、金器や銅器、玉器、石器、骨器、陶器などの文化財1720点が出土し、三星堆は「数千年の眠りから覚めて世界に衝撃を与えた」と言われた。2019年10月、考古学者らが1号坑と2号坑のある区域を調査したところ、新たに祭祀坑6基が見つかった。(c)Xinhua News/AFPBB News