【5月28日 AFP】米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)は27日、サッカーブラジル代表のFWネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)から性的暴行を受けたという同社の女性従業員の主張を調査した際、「調査への誠実な協力を拒否した」ために、去年同選手とのスポンサー契約を解除したと明かした。

 2016年にネイマールが性的暴行を加えたとされる疑惑について、被害者から2018年に報告を受けていたナイキは、事件の結論は出ていないとして「事実が何一つ明らかになっていないため、この問題に言及するのは実質的に不可能である」とのコメント文を出した。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、ネイマールの広報担当者が「こうした何の根拠もない暴行疑惑が訴えられた場合、ネイマールは断固として自身を弁護するだろう。現在までにそのようなことは起きていない」と話して同選手が疑惑を否定しており、ナイキとの契約が終了したのは商業的な理由であると補足したことを伝えた。

 さらには、関係文書や匿名の情報筋の話を引用し、ナイキが法律事務所「クーリーLLP(Cooley LLP)」の弁護団を雇って2019年から事件の調査を開始し、疑惑が浮上している中でネイマールを起用した宣伝の中止を決めたと報じた。

 一方、ナイキは「裏付けされた事実を示すことができないまま、当社が批判的なコメント文を出すのは不適切である」とし、「当該選手との契約を終了したのは、従業員が訴えている不正行為の信ぴょう性を確認するための調査に関して、誠実な協力が得られなかったためである」と述べた。(c)AFP