【5月28日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は27日、中国競泳男子のスター選手で東京五輪への出場を目指している孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)のドーピング疑惑に関する2日間の再審理を終えた。

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)に拠点を置くCASの広報担当者はAFPの取材に対して、「審理はスケジュール通りに終了した。裁定の日時は未定となっているが、遅くとも6月下旬になるだろう」と明かした。

 公開で行われた前回とは違い、オンライン形式で非公開となった今回の審理の結果、孫は東京五輪に出場する道が開ける可能性がある。

 1500メートル自由形の世界記録保持者である孫は、ドーピング検査官が自宅を訪れた際に、血液サンプルが入っている容器を金づちで破壊して検体の提出を拒否したとして、昨年2月にCASから8年間の資格停止処分を受け、東京五輪への出場は絶望的かと思われた。

 一方、中国水泳協会(CSA)は先日、同選手が2019年に韓国・光州(Gwangju)で開催された第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の覇者であることを理由に、東京五輪の出場権を「自動的に獲得する」と主張していた。

 東京五輪は7月23日から8月8日まで開催され、競泳は7月24日から始まる予定となっている。(c)AFP