【5月29日 AFP】ウィーン楽友協会(Musikverein)大ホールで、再び音楽が奏でられた──ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Vienna Philharmonic)が戻ってきたのだ。数か月にわたったロックダウン(都市封鎖)で、演奏家のモチベーションは試され、そして仕事のあり方も根底から覆された。

 新型コロナウイルスに関する制限が緩和されたことを受け、オーストリアでは19日、文化関連施設の運営が再開された。

 ウィーン楽友協会の大ホールは、世界で最も華麗なコンサートホールの一つとされ、世界的にも有名なニューイヤーコンサートが行われる。ここで音を奏でる「選手」の一人が、フランス人ファゴット奏者、ソフィー・デルボー(Sophie Dervaux)氏(29)だ。

 グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)の交響曲を練習中のデルボー氏。昨年11月の日本ツアー以来となる観客の前での演奏を楽しみにしている。「こんな状況が200日も続くなんて思ってもいませんでした」

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は今週、ウィーンでコンサートを再開。6月にはデンマークやノルウェーでの演奏が予定されている。欧州域内での往来が暫定的に可能となる中、デルボー氏も、ツアーを楽しみにしているという。

 映像は練習するウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、20日撮影。(c)AFP/Anne BEADE