【5月28日 AFP】ベラルーシの反体制派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏(26)が乗った航空機が首都ミンスクに緊急着陸し、同氏が逮捕された問題で、欧州航空各社は、ベラルーシ領空を迂回(うかい)するルート変更をロシア側に拒否されたと明かした。プロタセビッチ氏の両親は27日、息子の釈放に向け国際社会の支援を訴えた。

 欧州連合(EU)諸国は、プロタセビッチ氏の身柄拘束を受け、ベラルーシ航空各社による域内上空の飛行を禁止。EUは加盟各国の航空会社にベラルーシ領空を飛行しないよう要請している。

 オーストリア航空(Austrian Airlines)は27日、ロシア当局がベラルーシ領空を迂回するルート変更を承認しなかったため、ウィーン─モスクワ間のフライトを取りやめたと発表。仏航空大手エールフランス(Air France)のパリ発モスクワ行きの便も26日、同様の理由でキャンセルとなった。

 ポーランドのワルシャワで記者会見したプロタセビッチ氏の母ナタリア(Natalia Protasevich)さんは、動揺した様子で「私たちの訴えを、世界中のあらゆる場所、政府代表者、EU諸国、EUの指導者、米国の指導者たちに伝えてほしい。息子の解放に手を貸してほしい」と語った。

 父ドミトリー(Dmitry Protasevich)さんは「息子は生涯を通じ、真実を求めて戦い、それを人々に伝えてきた。それが(ベラルーシ大統領の)ルカシェンコがこの卑劣な行為を犯した理由だ」と訴えた。

 先進7か国(G7)外相は、ベラルーシ当局の「前例のない行動を最も強い言葉で非難する」との共同声明を発表。同氏を含め、拘束されているジャーナリストや政治犯の即時かつ無条件の解放を要求した。EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)欧州委員(外交安全保障上級代表)は、厳しい経済制裁もありうると警告した。(c)AFP