【5月28日 AFP】コンゴ民主共和国で発生したニーラゴンゴ(Nyiragongo)火山の噴火で、地元当局は27日、再噴火の可能性があるとして、東部ゴマ(Goma)の一部地域に避難命令を出した。同市からは数万人の住民が避難。幹線道路では大渋滞が発生した。

 AFPが確認した地元火山観測所の技術資料では、「湖水爆発」によって大量の二酸化炭素が周辺に放出され、周囲の生物に大きな被害を及ぼすという壊滅的な事態が起きる可能性も示されている。政府は、専門家チームが山頂でリスク評価を実施していると述べた。

 ニーラゴンゴ火山はアフリカで最も活発な火山。22日の噴火ではこれまでに32人が死亡しており、キブ湖(Lake Kivu)のほとりに位置するゴマでは緊張が高まっている。

 北キブ(North Kivu)州の軍政府長官を務めるコンスタン・ヌディマ(Constant Ndima)氏は「現時点で、陸上や湖の下での噴火を除外することはできない。とても近いうちに、警告なく発生することもありえる」と発表。人口60万人超(都市圏を含めると約200万人)のゴマの一部に避難命令が出されたと述べ、住民に落ち着いて町を離れるよう呼び掛けた。

 地元当局は、ゴマの西約20キロメートルにあるサケ(Sake)への輸送手段を手配したと発表。だがサケに向かうという住民の一人は「ゴマを離れる手段がない。渋滞が多すぎ、バイクタクシーの値段が高騰している」と語った。

 AFPの記者によると、ゴマから西に向かう道路は数キロメートル渋滞。数万人の住民がルワンダ国境に向かった。ある住民は「恐怖、パニックだ。みんなが逃げている」と語った。(c)AFP