【5月28日 AFP】イタリア北部ピエモンテ(Piedmont)州でロープウエーが落下し14人が死亡した事故で、唯一生存した5歳の男児が入院している病院は27日、男児が意識を回復し、間もなく集中治療室から一般病棟に移されることを明らかにした。

 23日にモッタローネ(Mottarone)山の山腹で起きた事故で、男児は一緒にゴンドラに乗っていた両親と弟、曽祖父母を亡くし、自身も重体となっていた。

 入院先の同国北部トリノ(Turin)・レジーナマルゲリータ(Regina Margherita)病院の広報担当者によると、男児は集中治療室で目を覚まし、「おばと話したり、周りを見回したりして」いる。数日で集中治療室から一般病棟に移される見通しだという。

 事故ではケーブルの1本が破断したことにより、ゴンドラが後方に逆走して落下した。イタリア警察は26日、事故を防げたはずの緊急ブレーキ装置を意図的に切っていたとして、ケーブルカー運行会社の幹部3人を逮捕した。

 エンリコ・ジョバンニーニ(Enrico Giovannini)インフラ・運輸相が27日に議会で行った説明によると、ゴンドラは支柱に衝突して地上に落下。逮捕された幹部らは、緊急ブレーキ装置が誤作動とみられる挙動を繰り返していたため、同装置を切っていた。(c)AFP