【5月28日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は27日、ルワンダを訪問し、1994年の大虐殺におけるフランスの責任を認めた。両国の外交関係は30年にわたり緊張状態にあり、大統領による今回の訪問は非常に象徴的な意味合いを持つ。

 マクロン氏は首都キガリにある虐殺記念館(Kigali Genocide Memorial)を訪れ、「私はきょうこの場に、あなた方のそばに立ち、謙虚さと敬意をもって、わが国の責任を認める」と演説。フランスには、大虐殺を行ったルワンダ政権を支援したり、大虐殺が起きる兆候を無視したりした責任があるとした。

 注目が集まっていたマクロン氏の演説には、公式な謝罪の言葉はなかったものの、前任の大統領らよりはさらに踏み込んだ形で、「われわれを許すことができる、許しという贈り物を与えることができる」のは、虐殺の生存者だけだと語った。

 ルワンダのポール・カガメ(Paul Kagame)大統領は、マクロン氏の演説を歓迎。同氏の言葉は「謝罪よりも価値のあるものだった。真実があった」と評価した。

 仏大統領のルワンダ訪問は11年ぶり。ルワンダは以前から、フランスが大虐殺に加担したと非難してきた。マクロン氏は、大虐殺への「加担はなかった」とする一方で、「フランスにはルワンダに対する役割や歴史、政治的責任がある。歴史に正面から向き合う義務があり、真実の調査よりも沈黙をあまりに長く重んじてきたことがルワンダの人々に与えた苦しみを認める義務がある」と述べた。

 虐殺被害者団体の代表はAFPに対し、マクロン大統領が「国家を代表して明確な謝罪を示さなかった」ことは残念だとしながらも、「大統領は大虐殺とフランスの責任を説明しようと努めてくれた。これは非常に重要なことだ。大統領がわれわれを理解してくれたことが分かる」と語った。(c)AFP/Jérôme RIVET / Simon VALMARY