【5月27日 Xinhua News】米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)の今年4月の中国国内販売台数は前月比65・5%減の1万1954台だった。うち「モデル3」は前月比73・8%減の6431台で、初めて1万台を割り込んだ。

 業界専門家は、4月が自動車販売のオフシーズンだとしつつも、モデル3とライバル関係にある比亜迪(BYD)EV「漢」の同月販売台数は5746台、新興電気自動車(EV)メーカー理想汽車のスポーツタイプ多目的車(SUV)「理想ONE」の販売台数も、テスラのミッドサイズSUV「モデルY」を上回る5539台だったことから、テスラの人気に陰りが見え始めていると指摘した。

 テスラは、20年に上海で国産化を実現して以降、中国市場での販売が増加の一途をたどっていた。20年の販売台数は13万9千台とEV市場でのシェアが10%、21年第1四半期(1~3月)の納車台数も6万9千台とシェアが13%になるなど、同社はわずか1年で中国EV市場のトップの座を手に入れた。

 ただ、今年4月の上海モーターショーで起きたテスラ車への抗議事件と、その後1カ月間に起きた幾つかの交通事故により、テスラは転換点を迎えたようだ。

 記者がこのほどテスラストアを訪れると、店内の客足は上海蔚来汽車(NIO)や広州小鵬汽車科技(小鵬汽車)、理想汽車など国内新興EVメーカーの店舗と変わりなく、今年初めにモデルYを発売した頃のようなにぎやかさは既になくなっていた。

 業界関係者はテスラの中国市場での実際立場について、他社をしのぐ技術力は国内新エネルギー車(NEV)業界の活力を喚起し、国産化は国内NEV産業チェーンをけん引したと説明する。

 上海臨港新エリアで先週末実施されたスマートNEV産業プロジェクトの集中契約では、テスラ上海工場が生産する車の部品の約9割が既に国産化されたことが分かった。業界大手、上海汽車集団の関係者も、同社傘下の関連部品メーカーがテスラに納入する内装関連などの部品が、完成車1台当たり1万元(1元=約17円)を超えていると明らかにしている。(c)Xinhua News/AFPBB News