【5月27日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は26日、バチカンを訪れたアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所の生存者の女性と会い、腕に残る囚人番号の入れ墨に口づけをした。

 リディア・マクシモビッチ(Lidia Maksymowicz)さん(81)は、3歳にもなっていなかった1943年に強制収容所に送られ、到着時にこの囚人番号の入れ墨を刻まれた。

 バチカン宮殿(Apostolic Palace)内で行われた一般謁見(えっけん)後、教皇と対面したマクシモビッチさんが服の袖をたくし上げて囚人番号を見せると、教皇はその入れ墨に口づけした。マクシモビッチさんは教皇を抱擁した。

 教皇はマクシモビッチさんの頭に手をかざし、中庭を離れるまで数分間、言葉を交わした。

 マクシモビッチさんは、強制収容所で「死の天使」と呼ばれたヨーゼフ・メンゲレ(Josef Mengele)医師による人体実験を経験した子どもの一人だ。

 強制収容所を出た後、ポーランド人の家庭に引き取られたマクシモビッチさんは18歳の時に、囚人番号が連番だったことから実の母親が見つかり、再会を果たしたという。(c)AFP