【5月27日 Xinhua News】国際会計事務所大手KPMGがまとめたデータによると、2020年の中国国内コンビニチェーンの売上高は前年比約6%増の2961億元(1元=約17円)で、うち従来型コンビニの売上高は約6%増の2716億元だった。中国のコンビニ業界は他の小売り業態に比べ、比較的高い成長を維持した。

 20年は新型コロナウイルスの影響により、消費が実店舗からオンラインへ移行する流れが顕著となった。20年の実物商品のオンライン小売額は前年比14・8%増加し、社会消費財小売総額に占める割合も24・9%と前年同期から4・2ポイント拡大した。ただ、21年第1四半期(1~3月)に実店舗消費の回復が加速すると、オンライン小売額の割合は21・9%に低下した。

 中国のコンビニ店舗数は20年に19万3千店となり、伸び率も約9%増と19年同水準を維持したが、コロナの影響により、一部のチェーンで閉店ペースが加速した。1日当たりの店舗売上高も5167元とやや落ち込んだ。

 KPMG中国の消費財・小売業界コンサルティングディレクター・パートナー、毛健(Mao Jian)氏は、他の小売り業態に比べコンビニ業界は高い成長を維持したものの、各社とも客足減少や閉店などコロナの影響を受けたと指摘。市場の変化に対応するため、運営能力を強化し、自社ブランドの構築や生鮮食品に力を入れているとし、7割以上のコンビニ企業が会員システムを構築し、オンライン展開を加速させていると説明した。

 商務部の流通産業促進センター流通革新・消費促進処の責任者、牛宜斌(Niu Yibin)氏は、コンビニには幾つかの発展材料があると指摘する。一つ目は、中国に世界最大規模の中所得者層が存在する点で、中国の1人当たりGDP(国内総生産)は2年連続で1万ドル(1ドル=約109円)を超えている。二つ目は、夜間経済(ナイトタイムエコノミー)の発展が加速し、20年はその規模が20兆元を超え、今年は36兆元まで拡大すると予測されている点。夜間消費ではコンビニが重要な役割を果たす。三つ目は、中国の若年消費者層が2億2千万人を超える点で、彼らはコンビニの主な消費者層となっている。

 毛氏は「今後3~5年は、運営能力向上による持続可能な発展が、コンビニ各社が焦点とする重要な方向性になる」との見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News