【5月26日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は26日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンをドイツから購入する交渉を、中国が妨害していると名指しで非難した。

 蔡氏は自身のフェイスブック(Facebook)ページに、一時はビオンテックと「契約寸前までいったが、中国が介入したため今も遅れている」と投稿した。

 中国や台湾にファイザー・ビオンテック製ワクチンを供給するのは、上海復星医薬集団(Shanghai Fosun Pharmaceutical Group)。

 蔡氏は「法的、政治的な二重のリスクを回避するため、品質の保証と安全を確保するには、大本の製薬会社から購入するしかない」と述べた。

 一方中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は同日、「台湾は、中国本土からワクチンを容易に入手できる」と述べ、これ以上詳しくは語らなかった。

 また趙報道官は蔡氏について、「われわれはこの総統なる人物を認めていない。中国の一地域の長にすぎない」と発言した。

 ビオンテックは先に、台湾にワクチンを提供する考えがあり、協議が続けられていると明かしていた。上海復星医薬も、台湾にワクチンを供給する用意があると表明。しかし、台湾にワクチンは届いていない。(c)AFP