男子は鉄板トリオ、女子は対「伊藤美誠」 東京五輪の中国卓球代表
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【5月30日 東方新報】東京五輪に向けて卓球王国・中国の代表選手が決まった。男子は順当なメンバーが決まり、女子は世界ランク2位の日本の伊藤美誠(Mima Itou)を意識したメンバー選考となった。
1988年のソウル五輪から男女とも採用された卓球では、中国がこれまで計32個の金メダルのうち28個を獲得。前回のリオデジャネイロ五輪でも全4種目を制覇している。
東京五輪から採用される混合ダブルスは、男子が31歳で世界ランク2位の許昕(Xu Xin)、女子は2019年世界選手権シングルスで優勝した30歳の劉詩雯(Liu Shiwen)のコンビ。許昕は左利きを生かして多くのペアと組んで優勝を重ねており、ダブルスの実力は世界一と目される。五輪初の混合ダブルスの金メダルを確実に狙う。
男子シングルスは32歳の馬龍(Ma Long)と、24 歳の樊振東(Fan Zhendong)。世界ランク3位の馬龍は五輪、世界選手権、ワールドカップ優勝の「グランドスラム」を達成した実力者で、リオ五輪に続き史上初の2連覇に挑む。樊振東は五輪初代表だが、世界ランク1位。男子団体はこの2人に混合ダブルスの許昕が加わる。秦志戩(Qin Zhijian)監督は「メンバー選考は満場一致で決まった」と語る。最強のトップ3が順当に出そろい、世界ランク4位の張本智和(Tomokazu Harimoto)ら各国の強豪を打ち破る布陣を整えた。
女子代表の選考は議論を呼んだ。シングルスは世界ランク1位で27歳の陳夢(Chen Meng)と世界3位で20歳の孫穎莎(Sun Yingsha)。ともに初代表だが陳夢は近年、安定した成績を挙げており、孫穎莎は次代のエース格。団体はこの2人に混合ダブルスの劉詩雯が加わる。リオ五輪女子シングルス金メダリストで30歳の丁寧(Ding Ning)は代表から外れた。また、2019年世界選手権女王の劉詩雯(世界ランク7位)がリオ五輪に続きシングルス代表から漏れたことは、中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」で大きな議論となり、関連するハッシュタグの一つは3億件も閲覧された。
李隼(Li Sun)監督は「劉詩雯は右ひじの故障から復活しつつあるが、本人と話し合った上で混合ダブルスに重点を置いてもらった」と説明している。東京五輪が1年延期されなければ、20歳になったばかりの孫穎莎でなく丁寧や孫穎莎が選ばれた可能性がある。
また、中国メディアによると、李隼監督が選考会議で繰り返し口にした名前が「伊藤美誠」だった。伊藤は近年の国際大会で中国勢の最大のライバル。陳夢と孫穎莎は最近の試合で伊藤に優位に立っている。これまでの五輪女子シングルスでは8大会すべてにおいて中国代表選手が金メダルを取っており、今回も必勝の構えで臨んでいる。(c)東方新報/AFPBB News