ブラジルの貧民街からプロゲーマーに、夢はさらに大きく
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■ゲーム界にも多様性を
アフロゲームスの構想を打ち出したのは、アフロレゲエの役員らと友人関係にあった元音楽業界の重鎮リカルド・シャンティイ(Ricardo Chantilly)氏だった。
「彼らは音楽プロジェクトをやりたがっていましたが、私はやるならeスポーツだろうと言ったのです。そして私の提案のためにミーティングが開かれました」
このプレゼンテーションでシャンティイ氏が紹介した国内外のゲーム大会の写真には、黒人やラテン系のプレーヤーが一人もいなかった。
「自分たちの存在が欠けていることに気付き、ファベーラ出身者のチームをつくらないか?となったのです」とアフロレゲエのコーディネーター、ウィリアム・レイス(William Reis)氏は振り返る。
このチームにはもう一つ、先駆的な面がある。性差別的と批判されるゲーム界にあって、女性プレーヤーが参加している点だ。
ゲーマー名「AFGハル(AFG Haru)」ことガブリエラ・エブリン(Gabriela Evellyn)さん(19)は「女性だからって、プレーには何の違いもありません」と言う。「でも誰かが変にからかってきたら、一生懸命プレーして相手を負かすんです。そして、あなた女の子に負けたねって言うんです」
シャンティイ氏は「自分が若かったころは、友達と何かを結成するといえば、ロックバンドでした」と言う。「でも今、若者が集まってつくるのは、eスポーツチームです。ゲームが新たなロックンロールです」 (c)AFP/Luiz Claudio AMARAL