【5月26日 AFP】西アフリカ・マリ暫定政府のアシミ・ゴイタ(Assimi Goita)副大統領は25日、昨年8月のクーデター後の民政移管を目指していたバ・ヌダウ(Bah Ndaw)大統領とモクタル・ウアンヌ(Moctar Ouane)首相の追放を発表した。同国の旧宗主国フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領はこれを「クーデター」と呼び非難し、欧州連合(EU)による制裁を警告した。

 ヌダウ大統領とウアンヌ首相は、昨年8月の軍事クーデター後に樹立した移行政権を率い、1年半以内の民政移管を目指していた。だが内閣改造に不満を持った軍幹部らは24日、2人を拘束。昨年のクーデター首謀者であるゴイタ副大統領は25日、2人の権限剥奪を発表するとともに、民政移管は予定通り継続し、2022年に選挙を実施すると表明した。

 マクロン大統領は、ベルギーの首都ブリュッセルで開かれたEU首脳会議後、今回の政変に関与した者に対する制裁を「間もなく科す用意がある」と述べた。

 これに先立ち、ジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相は仏議会で、フランスがマリ情勢を協議する国連安全保障理事会(UN Security Council)緊急会合の開催を要請したと発表。「フランスはきのうマリで起きた暴力行為を断固として非難する」とし、ヌダウ大統領とウアンヌ首相の解放を要求すると表明した。(c)AFP