【5月25日 AFP】エジプトはスエズ運河(Suez Canal)で3月に座礁し、航路をふさいだ巨大コンテナ船「エバーギブン(Ever Given)」を所有する日本の正栄汽船(Shoei Kisen)に対する賠償請求額を大幅に減額した。スエズ運河庁(SCA)長官が23日、明らかにした。

 エジプト当局は4月にエバーギブンを差し押さえ、正栄汽船に対し、9億1600万ドル(約997億円)の損害賠償を請求していた。

 しかし、SCAのオサマ・ラビ(Osama Rabie)長官は23日夜に放映されたトークショーのインタビューで、「同船の所有者らは積載貨物の損害額を約7億7500万ドル(約840億円)と見積もっている。われわれはこれを尊重し、(賠償)請求額を5億5000万ドル(約600億円)に引き下げた」と述べた。

 エバーギブンは3月23日に砂嵐に巻き込まれ座礁。国際貿易の大動脈でありながら幅の狭いスエズ運河に斜めにはまり、エジプト当局とサルベージ会社による大規模な撤去作業が6日間にわたって行われた。

 SCAは23日、撤去作業中に救助隊員1人が死亡していたと発表したが、詳細は明らかにしなかった。(c)AFP