【5月25日 AFP】搭乗していた旅客機がベラルーシに緊急着陸し、同国当局に身柄を拘束された反政権派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏(26)は24日、同国国営テレビが公開した動画で、自身は捜査に協力し、抗議デモを組織した罪を「自供している」と発言した。

 プロタセビッチ氏が乗ったアイルランドの航空会社ライアンエア(Ryanair)の旅客機は23日、ギリシャの首都アテネからリトアニアの首都ビリニュスへ向けてベラルーシ領空を飛行していた際、爆破予告があったとの理由から同国に緊急着陸。プロタセビッチ氏は身柄を拘束された。国際社会からは、ベラルーシが旅客機を強制的に緊急着陸させたとの批判が相次いだ。

 プロタセビッチ氏は動画で、自身がベラルーシ首都ミンスクの拘置施設にいることを明らかにし、「私に対する職員らの態度は可能な限り適正なもので、法を順守している。私は捜査官に協力し続け、ミンスクで大規模な騒乱を組織したことを自供している」と述べた。

 プロタセビッチ氏は、ステパン・プティーロ(Stepan Putilo)氏とメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上のチャンネル「ネクスタ(Nexta)」を立ち上げ、最近まで運営に携わっていた。同チャンネルは、不正疑惑が持ち上がった昨年8月の大統領選以降、数か月にわたりベラルーシを揺るがした抗議デモへの人々の動員を支援した。

 アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の対立候補として大統領選に出馬し、現在は国外に亡命している野党指導者のスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏も以前、国営メディアが公開した動画内で支持者に対し、抗議運動をやめるよう呼び掛けていた。支持者らはこの動画について、同氏が当局の圧力により撮影を強制されたと主張している。

 いずれも欧州に逃れていたプロタセビッチ氏とプティーロ氏は昨年、ベラルーシ当局により「テロ活動に関与する個人」リストに追加された。2人は大規模な騒乱を組織した罪に問われ、15年以下の禁錮刑が科される可能性がある。(c)AFP