【5月25日 AFP】中国南部・深セン(Shenzhen)で先週突然揺れ出しパニックを引き起こした超高層ビルは、週明けの24日も閉鎖が続いた。ビルのテナント事業者らは、先行きに不安を抱いている。

 香港に近い深センにある高さ約300メートルの超高層ビル「賽格広場(SEG Plaza)」は19日、突然揺れ出し、屋内にいた人や通行人らが避難を余儀なくされた。

 緊急管理当局は直ちに、地震が揺れの原因となった可能性を否定。調査は現在も続いている。

 ビルで事業を営むイラン人男性はAFPに対し、「どう事業をすればいいか、どう対処すればいいのか分からない…すべてがはっきりしない」との不安を語った。

 AFPは24日、ビルの入り口が赤いテープで閉鎖されているのを確認した。しかし1階の電子機器売り場からは、商品を積んだ台車を押して出てくる事業主らの姿があった。

 地元当局は、現時点でビルの構造や周辺状況に「安全上の異常は見つかっていない」としている。

 先週インターネット上に投稿された動画には、揺れるビルから避難しようと、パニックに陥った買い物客らが走り去る姿が捉えられていた。24日はこれとは異なり、会社員らがビル前を歩いて通行しており、地元住民の多くが平穏を取り戻した様子だった。

 ビルの向かいで電子たばこを売っている人は、「誰かが問題を解決しているところだ」と語った。その一方で、ビルの再開を疑問視する声もある。

 中国では建物の崩壊や事故が珍しくなく、建築基準の緩さや汚職が関係していることも多い。(c)AFP