【5月25日 Xinhua News】23日は「東方の宝石」トキ再発見40周年に当たる。中国陝西省(Shaanxi)林業局の最新の統計データによると、世界のトキの個体数は、今では7千羽を超えるまでに増え、生息地は中国の秦嶺山脈を中心に過去の分布域だった東アジア一帯へ拡大する傾向がある。トキの危機レベルも国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの「絶滅寸前(CR)」から「絶滅危機(EN)」へ引き下げられた。

 トキは長い歴史を持つ種で、かつては東アジア大陸から広大なシベリアにかけて生息していたが、20世紀に入ると朝鮮半島や日本などで相次いで姿を消した。その後1981年5月23日に、専門家が秦嶺山脈の南麓に位置する陝西省漢中市(Hanzhong)洋県で野生のトキ7羽を発見。秦嶺山脈はトキにとって「ノアの方舟」となった。

 同局の党双忍(Dang Shuangren)局長によると、この40年ほどの間に5平方キロ足らずだったトキの生息範囲は1万5千平方キロまで拡大し、秦嶺山脈を中心に周辺へ拡大する傾向にある。トキの生息地は現在、陝西、河南(Henan)、浙江(Zhejiang)各省に集中しており、日本と韓国にも中国の支援と協力により野生の個体群が形成されているという。(c)Xinhua News/AFPBB News