【5月25日 CNS】中国の第7回国勢調査のデータによると、各世帯の平均人口は2.62人となり、2010年の第6回国勢調査の3.1人より0.48人少なくなった。これは、平均世帯人口が3人を下回ったことを意味する。

 家族世帯とは、一か所に同居している家族のことだ。

 中国人民大学(Renmin University of China)人口と発展研究センターの宋健(Song Jian)副主任は、世帯規模の縮小は、近代化プロセスにおける家族の変化の重要な特徴だと指摘。1960年代以降、中国の平均世帯規模は縮小し続けた。1964年の1世帯あたりは4.43人だった。1990年には3.96人になり、2010年にはさらに3.10人までに低下した。

 宋氏は、1990年から2005年にかけて家族世帯の規模が大幅に縮小した後、その後しばらく横ばい状態が続いた。2015年の平均家族世帯規模は2010年の第6回国勢調査とほぼ同じだったが、その後はさらに縮小し、2020年に一気に2.62人までになった。

 国家統計局によると、世帯規模の縮小し続けることは、主に中国での人口移動の頻度の増加や、結婚後の若者の自立生活の改善などの要因がある。

 宋氏はまた、中国の世帯規模の縮小は家族計画に関連していると指摘した。長期間にわたり実施された一人っ子政策は、各家族の子供の数を大幅に減らした。核家族を例にとると、3人の子供を持つ夫婦と比較して、1人の子供を持つ夫婦は、家族の世帯の規模が2人縮小される。

 また、宋氏は、出生率の低下を背景に、家族規模の縮小とともに、世帯数も急増した。近年、世帯人口総数と世帯数はともに増加しているが、世帯数のほうはより急速に増加している。

 第7回国勢調査のデータによると、全国に4億9416万世帯があり、世帯人口は12億9281万人だった。第6回国勢調査の時は、世帯数は4億152万で、人口は12億4461万人だった。

 宋氏は、世帯数の急増は一戸を構えて独立する能力のある人が増えたことを反映しており、これは中国の近代化と都市化の過程と切り離せないと強調した。改革開放以降の経済発展と1980年代以降徐々に開始された住宅制度改革により、より多くの中国人は自分の住宅を所有できるようになった。同時に、元々同じ世帯に住んでいた家族を違うところに分散させた。世帯数の急増は、世帯規模の縮小を促しただけでなく、家族構成を大きく変化させた。例えば、単身世帯と夫婦世帯の比率が大幅に増加した。

 世帯規模の縮小と世帯数の増加はどのような影響を及ぼすのか?

 近年、米100グラム、ウイスキー50ミリリットル、ミニ洗濯機など、1人用商品の売り上げが大幅に伸びたことがわかる。

 中国人口開発研究センター所長の賀丹(He Dan)氏は、家族世帯の規模が小さくなり、元々の伝統的な家族の世代間支援や高齢者介護の機能が弱まり、家族介護や育児を支援するための社会サービスがさらに必要とされていると述べた。

 賀氏は、高齢化と少子化のプロセスが加速し、人口増加が鈍化しているものの、世帯数の増加は消費の拡大にも役立つと考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News