【5月24日 People’s Daily】中国の全社会で積極的に「炭素排出ピークアウト・カーボンニュートラル」を貫徹するプロセスの中で、生活消費の低炭素化が社会の新しい気風になりつつある。中国各地では、商品の先端(サプライサイド「供給側」)と末端(消費サイド)から企業や住民に低炭素消費を誘導し、衣・食・住・交通手段・娯楽など生活の各方面で、気候や環境にやさしい商品やサービスを意識的・意欲的に選択し、浪費を避け、リサイクルを奨励する試みが行われている。

 広州(Guangzhou)で暮らしている王さんは環境意識が強く、通勤時に自家用車をできるだけ使わず、地下鉄やバス、自転車を利用して移動する。家庭でも、水道、電気、ガス設備を省エネ設備に切り替えた。彼女のこのような低炭素行動は、広東省(Guangdong)カーボン普恵プラットフォームを通じて炭素コインに交換されることで報われた。炭素コインは商品と交換したり、社会福祉のために寄付したりすることができる。

 広東省のカーボン普恵プラットフォームは2015年に広州、中山(Zhongshan)、東莞(Dongguan)、韶関(Shaoguan)、河源(Heyuan)、恵州(Huizhou)で試行運営された。ユーザーは公式ウェブサイト、モバイルアプリ、ウィーチャット(WeChat)の公式アカウントなどを通じてカーボン普恵のアカウントにログインし、炭素コインまたは低炭素行動に応じたクーポンと交換する。このプラットフォームは個人向けだけでなく、零細企業や一般家庭の炭素削減行動も定量化し、その価値を付与する。2021年3月の植樹祭では、カーボン普恵はゲームをグリーン公益と組み合わせ、ユーザー数の多いゲームプラットフォームを活用して低炭素の普及を行う。

 低炭素消費の実行を促すために、社会全体が共同で良好な環境をつくる必要がある。そのうち、政府と企業が二大主体として大きな役割を果たすだろう。

 2013年に中国は毎年の省エネ啓発週間の3日目を全国低炭素デーと定めて以来、上海が毎年、低炭素の日に「都市生活、低炭素を楽しむ」をテーマにした広報を行う。このキャンペーンは市民の衣食住や交通手段、用品など生活の各方面をめぐって展開し、商店街、キャンパス、オフィスビル、企業および公的機関を網羅している。

 製品やサービスの供給側として、企業は低炭素消費に後を取らない。例えば、食物の面では、伝統的な中華料理店やファストフードチェーン店が「一人食」にふさわしい量の商品を出したり、「食べ残しゼロ・キャンペーン」を打ち出したりしている。住居の面では、企業が積極的に省エネ家電や省エネ住宅を開発し、住宅分野の炭素排出量の削減に積極的に貢献している。交通手段の面では、シェアリングエコノミー企業が絶えず商品を改善させ、相乗りや他のネット配車などの商品は車の利用率を高めた。用品の面では、より多くのECやテークアウトプラットフォーム、物流業界が、川上・川下企業と連携し、包装減量や、リサイクル可能な宅配パックの提供、使い捨てプラスチック製品の使用削減などの方法を利用し、この分野での個人の炭素排出量を削減させている。

 専門家は「炭素排出ピークアウト・カーボンニュートラル」を実現することは広範囲で深刻な経済社会システムの変革だと指摘している。(c)People’s Daily/AFPBB News