【5月24日 AFP】コンゴ民主共和国で22日に発生したニーラゴンゴ(Nyiragongo)火山の噴火で流れ出した溶岩は23日、多数の市民がパニックになって避難した同国東部ゴマ(Goma)の端で止まり、同市は被災を免れた。一方で国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は、170人以上の子どもが行方不明になっている恐れがあるとしている。

 AFP特派員によると、黒っぽい溶岩は炎と煙を上げながら家々をのみ込み、キブ湖(Lake Kivu)の湖畔にあるゴマ市内の空港に向かって流れた。溶岩が流れた跡では残骸がくすぶっているという。

 地震性の振動が続く中、住民らは警戒しながら帰宅し始めた。死者は15人に上っているが、このうち大半の死因は噴火とは直接関係がない。

 北キブ(North Kivu)州の軍政府長官を務めるコンスタン・ヌディマ(Constant Ndima)氏は、溶岩はゴマ郊外のブヘネ(Buhene)付近で止まり、あと数百メートルというところで同市は被災を免れたと述べた。一方で、避難中の事故で9人が死亡したことを明らかにした。

 軍の報道官によると、ゴマのムンゼンゼ(Munzenze)刑務所から脱走を試みた受刑者4人が射殺された。さらに政府の報道官は、2人の遺体が燃えた状態で発見されたと明らかにした。

 一方、ユニセフは、噴火に直接関連した死者は少なくとも5人に上り、「170人以上の子どもが行方不明になっている恐れがある」と指摘。この他、家族と離れ離れになった子どもは150人を超えるとしている。

 22日夜は、アフリカで最も火山活動が活発なニーラゴンゴ火山の噴火で夜空が赤く染まる中、多数の家族が家から持ち出した身の回りの品を並べた歩道で寝た。一人の住民は「何もかも失った」と話し、そういう市民が何百人もいると続けた。(c)AFP/Albert Kambale / Justin Katimwa