【5月24日 AFP】メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上でベラルーシの反政権派が運営するチャンネル「ネクスタ(Nexta)」は23日、同チャンネルの元編集者で国外へ亡命しているロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏(26)が乗った航空機が、首都ミンスクに緊急着陸し、プロタセビッチ氏が着陸後、拘束されたと明らかにした。同国のアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が緊急着陸を指示していた。

 旧ソ連構成国のベラルーシでは昨年の大統領選の正当性をめぐり大規模な抗議デモが起き、政権が取り締まりを強めてきた。「ネクスタ・ライブ(Nexta Live)」は姉妹チャンネル、ネクスタとともに200万人近いテレグラム登録者を擁し、両チャンネルは、声高に政権批判を繰り広げ、市民が抗議デモに参加するのを手助けした。

 ロシア国営タス通信(TASS)が伝えたミンスク空港当局の話によると、プロタセビッチ氏はアイルランドの格安航空大手ライアンエア(Ryanair)で、ギリシャの首都アテネからリトアニアの首都ビリニュスへ向かっており、航空機は爆破予告を受け、ミンスクに緊急着陸した。

 ネクスタは「航空機は調べられ、爆弾は見つからなかった。搭乗者は全員、別の保安検査に回された」とし、「搭乗者にネクスタのジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチがいた。彼は拘束された」と明らかにした。プロタセビッチ氏は搭乗前から後をつけられていたと話していたという。

 ベラルーシ内務省は当初、テレグラムで拘束を認めたが、投稿はその後削除された。同国政府は昨年、プロタセビッチ氏らネクスタ幹部を「テロ行為」に関与する個人のリストに加えていた。(c)AFP