【5月23日 AFP】(更新)中国北西部で22日に行われた全行程100キロのクロスカントリー大会がひょう、冷たい雨、強風といった悪天候に見舞われ、参加者のうち21人が死亡した。国営メディアが23日に伝えた。

【動画】クロスカントリー選手を運ぶ救助隊員ら

 国営新華社(Xinhua)通信によると、大会は甘粛(Gansu)省白銀(Baiyin)市近郊にある山岳地帯の「黄河石林(Yellow River Stone Forest)」で行われ、172人が参加していた。

 中国中央テレビ(CCTV)は、地元の救助本部からの情報として、最後まで行方不明になっていた人が23日午前9時半(日本時間同10時半)に見つかったが死亡したと伝えた。同日朝に地元当局は20人が死亡し、1人が行方不明になっていると発表していたため、CCTVは死者が計21人になったと報じた。

 新華社は、「救援本部によると、22日午後1時(日本時間同2時)ごろ、20~31キロ区間の標高が高い場所がひょう、冷たい雨、突風に見舞われた」と伝えた。「参加者らは、急激な気温低下による体調不良と低体温症に苦しんだ」 「一部の参加者が行方不明となり、大会は中止された」

 700人以上の救助隊員が行方不明になった参加者の捜索に当たった。この地域では翌朝にかけてさらに気温が低下し、捜索や救助が「ますます困難になった」という。

 新華社は、23日午前3時(日本時間同4時)現在、参加者のうち151人の安全が確認され、このうち軽傷を負った5人は病院で治療を受けており、容体は安定していると報じた。

 白銀市の張旭晨(Zhang Xuchen)市長は、コースの20~31キロ区間で22日正午(日本時間同日午後1時)ごろ、「突然ひどい悪天候になった」と説明した。ひょうと冷たい雨が降り、強風も吹いて、気温が急激に下がったという。

 張市長によると、すぐに大会参加者の一部から助けを求めるメッセージが届いたため、主催者は救助隊を派遣し、18人を救助した。午後2時(日本時間同3時)ごろ天候がさらに悪化し、大会は中止され、地元当局は追加の救助隊を送った。甘粛省政府が原因を調査するという。

 英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、黄河石林は石筍(せきじゅん)や石柱がつくる見事な岩山の景観で知られ、中国では多くのテレビ番組や映画の撮影に使われている。(c)AFP