【5月22日 AFP】世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は21日、台湾で新型コロナウイルスの感染者が急増していることから、東京五輪に向けて同地で予定されていた野球の最終予選がメキシコでの開催に変更されると発表した。

 台湾ではこれまで、新型コロナウイルスの流行が効果的に抑制されていたが、ここ数週間では国際線パイロットがウイルスを拡散したことによるクラスターが発生しており、非居住者の入境制限を含む、新しい厳格なソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の措置が取られている。

 東京五輪の野球最終予選は、来月に台中(Taichung)市で実施されることになっていたが、WBSCは開催地をメキシコに変更すると発表。その理由として、特に外国人の入国制限に言及し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急拡大し、現地当局が台湾に新たな制限措置を敷いたことにより、この決断を余儀なくされた」と説明した。

 メキシコで行われることになった最終予選の新たな日程や会場については、現時点で未定となっている。同大会には台湾をはじめオーストラリアとオランダに加え、今月下旬に始まる米大陸予選から2チームが参加することになっている。

 新型コロナウイルスの感染状況はメキシコの方が台湾よりもはるかに深刻で、これまでに約22万人が死亡し、1日の新規感染者数も約2000人に上っている。これに対して台湾では、感染者数が計2800人ほどにとどまり、死者数も計15人となっている。(c)AFP