【5月22日 AFP】英国放送協会(BBC)が1995年に放送した故ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)のインタビューで、BBC記者が元妃側を欺いて出演承諾を取り付けた問題をめぐり、政府は21日、BBCの改革を検討する意向を示した。BBCはこの問題で王室から異例の非難を受けるなど、高まる圧力に直面している。

 メディア問題を担当するオリバー・ダウデン(Oliver Dowden)文化相は、本件に関する独立調査で「BBCの心臓部における破滅的な欠陥」が露呈したと指摘。閣僚らが今後「BBCの運営体制の改革が必要か否かを検討していく」と述べた。

 BBCのマーティン・バシル(Martin Bashir)記者が行ったダイアナ元妃のインタビューは、世界的スクープとなった。元妃はその中で、チャールズ皇太子(Prince Charles)との結婚生活の破綻を告白した他、自身の不倫も認めた。

 しかし20日に発表されたインタビューをめぐる独立調査で、側近らが元妃を監視していたという虚偽を主張するためにバシル氏が銀行明細を偽造し、これを用いて元妃を説得したとの結論が出された。

 元妃の息子で、王位継承権第2位のウィリアム王子(Prince William)は20日、BBCは元妃と国民を裏切り、両親の関係を悪化させたと激しく非難した。

 弟のヘンリー王子(Prince Harry)も個別に声明を出し、「搾取文化と非倫理的慣習の波及効果が最終的に母の命を奪った」と批判した。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、「このようなことが二度と起こらないよう、BBCがあらゆる方策を講じることを切に望む」と述べた。ジャーナリスト出身の首相は過去に、取材対象の発言を捏造(ねつぞう)したとして、高級紙タイムズ(Times)から解雇処分を受けている。(c)AFP/Anna MALPAS